ルネサンスはヌードの美学を人びとが求めた時代であったと考える人びとがいるようです。ここで言うところのヌードの美学とは、ルネサンス期以前の中世の時代の美術とされていた宗教画には裸体の人間を描くことは罪深い行いであると教会から禁じられてた人びとの欲望がそのような欲求の変化をあらわしているのかもしれません。禁欲的な生活や信仰深い美術品に囲まれた暮らしのなかでのフラストレーションが、古代ローマ人や古代ギリシア人の生活への憧れに変わり、人びとは古代の芸術の復興を願った想いがヌード画の美学に結びついたのかもしれません。現代の日本におきましてもヌードをアートと称する芸術家たちもおり、絵画や写真の作品として世の中に流通することは一般的ではありますがルネサンス期の人びとのように裸体が美学であるという強い考えは禁欲的な生活のなかから生まれるものなのかもしれません。