古代ローマの壁画への縁取り

初代皇帝アウグストゥスの娘ユリアとその夫アグリッパの暮らした別荘と思われる遺跡には、その住居の壁面から紀元前1世紀末ごろに描かれたフレスコ画が多数発見されました。ローマ国立博物館に当時の空間が復元されているそうです。その中の、アルコープ形式の寝室の奥にある二枚の絵画は、額縁に納まっているそうです。一枚は、リュートのような楽器を奏でる女性、もう一枚には男性とその前に立つ女性が描かれています。それぞれに青い枠と装飾模様が入った黄色の二重の縁取りがあり、その効果で赤い壁画から、絵画は隔てられているように見えるそうです。それらは、翼のある人物によって支えられているかのように見えて、まるでだまし絵のようでもあるそうです。紀元前に描かれたギリシャ・ローマ時代の壁画などの周囲には額縁のような装飾模様がしばしばみられます。

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