象牙彫刻の周囲の装飾について

五世紀ごろのキリスト教の美術を代表する象牙彫刻の周囲にも装飾が施されているものが残っているそうです。象牙細工というのは、当時も贅沢品だったそうで、貴族や高位の聖職者たちが依頼して制作していたと考えられています。その中でも四世紀ごろまでは、ローマの工房が突出て製造技術が高かったそうです。その工房の作品のひとつに四世紀末の作『二コマクスとシュンマクスの二連板』というものがあります。現在はそれぞれロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館とパリのクリュニー美術館に保存されています。その周囲には植物をモチーフとした額縁のような装飾で縁どられているのだとか。その一部は破損しているそうですが、額縁としての機能を有していて、意匠も満たしているそうです。また、聖遺物箱の蓋や家具の装飾も額縁状の飾りが多くみられるそうです。

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