16世紀の末には、リバース型額縁が流行したそうです。反転型額縁とも言われており、その頃に主に採用されていた「箱型額縁」とは全くタイプの異なるものでした。絵に最も近い位置での内側の枠が一番突出した状態であり、外側は壁に向かって傾斜をしている、もしくは段になっているのが特徴です。壁に向かって段々と下がっていく作りをしているので、壁との一体感が楽しめることが魅力のひとつでした。リバース型の額縁には、金だけではなく、銀がかぶせられているものもありました。しかし、銀箔は上塗りなどの銀自体が変色してしまっていたり、他にも摩擦したりという問題がありました。そのため、残念ながら完全な状態では残されていません。中には、金めっきと銀めっきが組み合わされたものもあり、17世紀には重宝されたそうです。